ブーダンブラン / 牡蠣 / セップ

今橋 英明
Restaurant L’aube
母がつくった弁当。 少年野球チームに入っていた頃、私の母は看護婦の仕事をしていました。彼女は出勤日や時間も不定期で多忙なのに、日曜日に野球に行く私の為に、出勤日や時間も不定期で多忙なのに、必ずお弁当を作ってくれました。凝った弁当では決してなかったのですが、そのことは今でも記憶に残っております。弁当のおかずは、レパートリーが決まっておりました。印象的なおかずは、『魚肉ソーセージ』『カキフライ』『スクランブルエッグ』でした。そして、それらは小さな醤油のパックとともに、詰めこまれていました。私は、特にこの『魚肉ソーセージ』を焼いた味と、少しとろみのある卵の組み合わせが大好きでした。

時は経ち、私は料理の世界に入りました。26歳に時、フランスで働かせて頂く事となりました。最初はベイシックな地方料理を学ぶことが大事だと思い、様々な料理を勉強しました。そんな時、ボルドーと言うワインの名産地では、生牡蠣を焼いたソーセージと赤ワインと一緒に食べる文化がある事を知り、それはまるで、母が昔つくってくれた弁当のようだと思いました。

料理をレシピから構築できるようになり、昔のその弁当を今の自分のフィルターを通して作り出しました。
それが『牡蠣の軽いボイル ブーダン・ブラン・ソーセージ セップ茸と卵、バターのサヴァイヨン・ソース』になります。 ソースをたっぷりとすくって、牡蠣とソーセージを同量ずつ召し上がって頂き、どこか懐かしく、リッチな旨味を感じてください。

材 料

[ 40人分 ]

カキ 40 個
玉葱 1 個
A水 適量
A生クリーム 200 g
A丁字(頭の部分) 適量
B鶏胸肉 400 g
B豚肩 250 g
B豚首肉 100 g
C塩 14 g
Cこしょう 2 g
C増粘剤(ヴィドフィックス) 7 g
卵白 120 g
豚腸 適量
セップ(乾燥) 7 g
ブール・フォンデュ 125 g
D全卵 70 g
D卵白 30 g
D塩 2 g

工 程

  1. Step

    <ブーダン・ブラン> ブーダン・ブランを作る。玉ネギのスライスをAと共にやわらかくなるまで煮て、漉して水気を取り、刻む。挽いたBとCをフードプロセッサーにかけ、卵白、生クリームを順に加えて更に回す。 ボウルに空けて刻んだトリュフ先の玉ネギを混ぜ合わせて豚腸に詰め、80°Cの湯で30分ゆで、冷やして真空パックにし、保存する。提供時にフライパンで焼き色をつけ、120~130°Cのオーブンで温める。

  2. Step

    <セップのバタームース> セップのバタームースを作る。セップをミキサーにかけてパウダー状にし、ブール・フォンデュと共に鍋に入れ、フタをして温かい所で1時間アンフュゼする。Dに加えてハンドブレンダーで撹拌し、漉して冷やす。エスプーマのサイフォンにセットし、58°Cの湯で温める。

  3. Step

    <カキ> カキは殻をはずして鍋に入れ、紙漉しして水で伸ばしたジュを7割程度の高さまで注ぐ。弱火にかけ、ジュ(牡蠣から出ただし汁)を身にかけながら温かくなるまで加熱する。

  4. Step

    <盛り付け> ブーダン・ブラン、カキを一口大に切って皿に盛り、セップのバタームースをしぼる。

今橋 英明 今橋 英明

響きあう物語のはじまり。
「L’aube(ローブ)」とは、始まりや夜明け、誕生を表すフランス語です。
自然が創造した美しさと、人が創造した美しさの絶妙なハーモニーを生み出すこと。
《その瞬間にしか存在しない美味しさ》を創りつづけること。
ここから私達の物語が始まる。そんな想いを込めて「L’aube(ローブ)」と名付けました。
生産者のこだわり、その風景、季節の移ろい、日本とフランスの食文化が響き合う、新たな美味しさ、愉しさ、心地よさと、それらが誕生する美しい瞬間をお届けしていきます。

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